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執筆者の写真サンゼ

「好きなことで、生きていく」って本当に大切?

こんにちは、映像クリエイターのサンゼです。コマーシャル映像の編集をしています。

20歳の頃から映像編集していて今年34歳になります。その傍らYouTubeでAdobe AfterEffectsのTIPSを紹介する活動もしています。


今回は「好きなことで、生きていく」って本当に大切?

というテーマで、僕の考えをお話していきたいと思います。


「好きなことで、生きていく」という言葉は2015年にGoogleがYouTubeのキャンペーンの中で掲げたものです。SNSを見ているとどうしても好きなことを仕事にすること自体が進化されているように感じます。大前提、人間生きてるだけで充分偉いです。充分社会回してます。


ありがたいことに「サンゼさんはプロのすごい人」みたいに言ってくれる方が増えたのですが、僕はただのエディターで下請けとして出来る範囲の努力をしているのに過ぎません。もちろんクリエイターとして真摯に作品に向き合ってより良い作品にする努力は怠ったことはありませんが、いろいろとイメージが独り歩きしている気がするので訂正したいと思います。今回は僕が東京のスタジオをやめて劣等感まみれで地元に帰ったところから、上京して今に至るまでを簡単に振り返っていきたいと思います。


この経験がどこかの誰かの役に立つことを願って記します。



▼23歳の頃の話

僕は20歳で東京の映像編集スタジオに就職し、34歳の今まで有り難いことに映像を作ることで生活をしています。ですが、23歳からの1年半は故郷の新潟に戻り映像とは全く別の仕事をしていました。編集スタジオを退職したのは単純に体力的に追いつくことが出来なかったからです。


新潟に戻っていた頃は別の仕事をして、夕方帰宅してからインターネットでAeチュートリアルサイトを漁ってソフトの練習をする日々でした。


学びが多い時期でもありましたが「俺は東京で自分が好きなことすら頑張る事ができなかった…」と自己嫌悪を感じる時期でもありました。


その気持ちを忘れようと何とか一人で自主制作をしていましたが、しばらくは虚無感を感じていました。



映像ついて話す仲間もいないし、何のためにやっているんだろうかと映像を作っていく理由を見失いかけてもいました。でも、なんとなく映像を作るのが好きだから続けていました。


新潟に帰って1年が過ぎたころ「もう映像を作るのはやめて真面目に働こう」と考えが浮かび始めていました。




▼転機

そんなタイミングで奇跡的に東京の映像制作会社への転職が決まりました。

再び上京をしてからは、拾ってくれた会社に貢献するため一生懸命働いて自分の編集技術を高めていきました。そしてフリーランスとして独立し、2016年には株式会社リヒトグラフを設立しました。


また、2019年からはYouTubeを中心に映像制作のTIPSを発信しています。順風満帆というわけではないですが、映像制作を中心に生活ができている事をありがたく思っています。




▼そして、おじさんになった

23歳の頃の僕はすごく窮屈な考えになっていたなと思っています。

仕事だって何だって人間関係もあるし、環境もあるんだから、編集スタジオをやめたことも「自分の力量が足りずスタジオをやめた」というところだけ受け止めればよかったです。


しかし、当時の僕はそこから派生して「好きなことを仕事に出来てるだけ有り難いのに、それすら頑張れなかった俺はダメだ」と自分を卑下していました。社会のどこにも自分の居場所が無いような気持ちになっていました。



34歳のおじさんになった今は何かうまく行かない事があっても「自分に合う人、合わない人がいるだけ」と単純に考える事ができるようになりました。


そこから、事実以上の事は受け取らないようになりました。案件ごとに環境もスタッフも千差万別です。いろいろ有るのは当たり前。




▼自分が楽しんで続けることが何よりも大切

今、大切だと思っていることは「映像制作は好きだから続ける」ってスタンスです。


それがたまたま仕事になれば尚のことをラッキーだねってだけで、映像制作という好きなことを見つけられたことで十分僕はラッキーだと思ってます。


僕は軟弱ですから、いつか力及ばずで映像制作で生活ができなくなるかもしれない。


でも、今は出来ている。僕を現場に呼んでくれる人に恩返しをするために頑張る。それで十分だと思っています。



「やりたい事を神格化しない」という言葉をどこかで聞いたんですが、いい言葉だなと思ってます。気がつくと沢山の人がやりたいことを神格化して、それが出来ていないとダメだと感じているように思います。


でも、僕は「好きなこと」と「生きていく」ことは分けて考えていいと思います。みんな忘れてると思うけど、生きてるだけで十分ラッキーです。命を得れて生きているってすごい確率です。


もちろん、生きていく中にはお金も必要ですし、僕は極貧時代も経験しているのでお金が無いことで人格も窮屈になっていくことも体感とわかっているつもりです。(ATMの残高が1000円切ってお金を下ろせないことが何度もありました)


だからまずは生活していく。

好きなことで生活を立ててなくても、社会人として十分立派ですよ。


働いて、飯食って、映画見て、十分最高です。経済めっちゃ回してます。

仮にニートでも、たまに道に落ちてるゴミを拾ったり、道に迷ってる人を助けたりするくらいでも超絶立派です。



▼いろんなスタンスの「好きなこと」があっていい

映像制作は少し前までプロフェッショナルだけのものでした。機材やソフトウェアも高額なものばかりでした。しかし、時代は流れてそれぞれが安価になり、スマホによって撮影や編集をするフローも身近なものになりました。


週末バンドとして友達とギターセッションを楽しむ。フットサルで汗を流す。映像制作もそういうこととほとんど一緒だと思っています。


ギターセッションを楽しんでる人やフットサルを楽しんでる人に「それでプロになれんの?それで飯くえるの?」って言うことは野暮なことだと思いませんか?


楽しみ方は人それぞれある。

プロを目指して切磋琢磨するのもかっこいいし、自分なりの接し方で楽しむのもかっこいいです。


「やるからにはプロを目指す」というゴールだけではとても窮屈だと思ってしまいます。そういうスタンスもあるし、そうじゃないスタンスもあるというだけのことだと思います。


やっていった先にプロになる人があれば、それは「ラッキー」だったね!というくらいで良いと思います。もちろん、とてつもない努力の上にその「ラッキー」が有ることが大前提だとは思います。




▼最後に

映像制作の現場は上に行けば行くほど、全国から集った猛者達が最高の作品を生み出すためにしのぎを削っています。そんな中、僕みたいな軟弱ものがゆらゆらと存在してるだけでも大変なんですが、やれるだけこれからもやっていきたいと思ってます。


僕がサンゼとしてチュートリアル動画を作成しているのも、一人でもたくさんの方に映像制作を楽しんで貰えればと思ってやっています。


それが巡り巡って面白いことにつながるんじゃないかと考えるだけでロマンがあります。


このnoteが23歳の僕のように窮屈な考え方をしてしまっている人や、就活で悩んでいる学生の方に届いて欲しいと願っています。


就活がうまくいかなくても、それはたまたま今マッチングとしてうまくいかなかっただけで、自分という存在がダメなわけではないです。仕事として映像制作に関わっていきたいのなら持久戦です。一度ダメでまた舞い戻ってきてるサンゼはそう感じます。


ゆっくりで良いので、明るく楽しく生きていける環境を自分なり探していきましょう〜!あなたといつか現場で会えることを楽しみにしています。応援しています。

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